City Bus Lovers・玄琢特六企画 附属ブログ

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Twitterでの外出・往来自粛の呼びかけの件を検証してみた

3回目の緊急事態宣言発令から1ヶ月半。宣言地域の方がSNSで外出・往来自粛を呼び掛けてる書き込みに対して色々と波紋が広がったようだったので、話題になった地区と大阪市内の状況を比較して状況を考えてみた。

 今回呼びかけの対象になっていたのは兵庫県丹波地区(丹波市丹波篠山市)。

元ツイはこの記事を書く前に削除されてしまったので紐付けは行えませんでしたが、趣旨をまとめると呼びかけられていたのは以下2点の内容。

  1. 外出を控えてほしい
  2. 他地区から丹波地区への往来を避けてほしい

特に強く呼びかけがあったのは2番の項目。域内で最低限度の活動をしていたところに並行しての呼びかけだったのと、緊急事態宣言が出ようが「知らない」「平気で大声を上げる」というマニアも一定数いるマナーの面で残念な界隈だったので、賛否反響を呼ぶ結果に。

丹波地区っていうところがどういう状況だったのかが気になったので、一時期日本最悪の状況だった大阪市内と10万人あたりの新規感染者数*1で比較してみた結果がこちら。

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人口の元データは同一基準で比較という点を考慮して2015年の国勢調査確定値*2を使用。

まず大阪市内。西日本最大の都市ということで感染拡大が急速に進み、3月24日に指標が感染急増段階のステージ3*3、同27日には感染爆発段階のステージ4*4に到達して4月5日にまん延防止等重点措置が発令。ここで外出・移動自粛要請が出されたものの感染急拡大が進んだ結果、4月25日に緊急事態宣言発令。

救急車で2泊3日という事案が発生したのもこの時期で、10万人あたりの新規感染者数も5月1日129.8人がピークに到達。無論この状況だと病院の機能も完全にパンクしてしまったので、お店も図書館も全部閉まるという台風が街中にずっと居座っているのと同じ状況が1ヶ月以上継続。6月に入って要請内容が一部変更になったものの今も呼び掛けは「平日の外出は最小限だけ、土日はとにかく家にいてほしい」という状況。
(6月4日時点で24.6人/10万人、ステージ3)

対して丹波地区。兵庫県内は山を隔てて生活圏がまったく異なる地区の寄り合いなので県北部の但馬地区とともに状況が比較的落ち着いていたものの、感染状況が極めて悪い神戸・阪神地区*5に足を引っ張られる形で4月9日に外出自粛要請が発表→4月25日に緊急事態宣言が発令。

丹波地区の感染状況自体は指標が4月中旬にステージ3、5月の大型連休明けにステージ4まで一時的に到達したものの、感染経路自体は追えていたため経路不明の指標*6は4月8日を除いて感染急増段階のステージ2で踏みとどまって、県内全体の医療体制は危ないものの域内の感染状況に限れば割かし落ち着いているという大阪市内とは対照的な状況。
(6月4日時点で2.8人/10万人、ステージ2)

ということで、こういう事情を考えると同じ緊急事態宣言下でもひとくくりにできなくね?という結論に到達。呼びかけを行った方も何もおかしいことは仰られていないのでは……

感染者が多い地区と少ない地区の往来は緊急事態宣言が出ていようが出てなかろうがこのご時世あんまり好ましくないこととされている*7みたいなので、感染状況が全国的に落ち着くまでは地元でできる範囲でこの趣味を楽しむしかなさそう。

イベント開催の是非も社局間で濃淡が広がっているので一律こうとは言えませんが、開催可否の基準が特に厳しい*8オオサカメトログループで普段趣味活動をしている人間なので、最後にまとめると

  • 都道府県の自粛要請には沿ってほしい
  • どうしても趣味活動をする際は自己責任で行動してほしい
  • 宣言解除後も流行状況が悪い地区と落ち着いている地区との往来は控えてほしい

万が一のことがあると身の回りや事業者さんに多大な迷惑が及びかねない苦しいご時世。ものすごく大変な時期ですが自分にも他人にも迷惑をかけない範囲で活動するしかありませんね。

早くこういう世の中が終わってほしい(切実)

*1:計算式は「直近7日間の累計感染者数÷対象地域の人口×100000」

*2:丹波地区は丹波市篠山市(当時・2019年に現市名の丹波篠山市に改称)の人口を合算

*3:新規感染者数15.0人/10万人以上

*4:新規感染者数25.0人/10万人以上

*5:神戸市・三田市以東の8市1町、おおむね旧摂津国

*6:「直近7日間の累計経路不明感染者数÷直近7日間の累計感染者数」が感染者数の50%以上の場合、ステージ3扱い

*7:厚生労働省「新しい生活様式」より

*8:2021年4月時点で外出自粛要請の発表有無が自社イベントの開催可否基準